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2008年03月13日(Thursday) 知立名物・藤田屋の大あんまきとかけて、伊勢物語ととく
_ 知立名物・藤田屋の大あんまきとかけて、伊勢物語ととく
かなり前になるが、知立名物、藤田屋の大あんまきをもらった。
平たく言えば、ホットケーキに似た生地に、餡をくるんだお菓子である。
その特徴は何と言っても、ボリューム。1つの包みがドーンと10cm近くもある。1本食べればお腹いっぱい。満足の渦が押し寄せて来る〜。
素朴な甘み。いつ食べても飽きることはない。こういうモノこそ郷土菓子としてふさわしい。
よく見ると、菓子箱に和歌が書かれている。
「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」
ワタシの大好きな古典、『伊勢物語』九段にある和歌ではないか。
「昔、男ありけり。」で始まる段が多い伊勢物語。「男」は、在原業平を指すとされる。
伊勢の斎宮と密通し(聖職者にお手をつけてはいけませんねぇ…)、東国へ逃れる「男」。三河の国、八橋(現在の知立)まで辿り着いたところで、京の都に残してきた恋人を想い、詠んだのが上の一首である。
上の和歌の5-7-5-7-7の最初の文字を拾っていくと「かきつはた」。三河八橋で咲き誇る「かきつばた」と掛けてある。
伊勢物語の中では多分一番有名な歌だろうが、ワタシにはこの歌、心に響いてこない。
上述の折句に加え、枕詞、掛詞、序詞、縁語が精緻にちりばめられており、和歌の修辞技巧のお手本のような歌である。
が、それと反比例するかのように情感に乏しい。切実に訴えかけてくるものが感じられないのである。
伊勢物語の中でワタシの好きな一首は、四段に登場する、
「月やあらぬ 春やむかしの春ならぬ わが身ひとつはもとの身にして」
これも逢うに遭えぬ愛しい人を想って詠んだ歌。しかし、こちらは技巧など駆使せず、感情をストレートに詠んでいる。直球一本勝負。読み手の心にズバッと迫ってくる、ただならぬ勢いが、確かにある。
また、波打つような言葉の流れも心地よい。音に出して口ずさめば、その耽美な響きが一種の陶酔感をもたらす。
伊勢物語、この他にもいい歌多いんだよなあ…。
(Mrs.Pooh)
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